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持ち家に対しては強い思いを持っていらっしゃる方が多いと思います。
ですので、債務整理によって借金の負担を軽減することができたとしても持ち家を手放さなければいけないなら「もっと踏ん張ろう!」という方もいるでしょう。
債務整理をすると持ち家にはどのような影響があるのでしょうか?
先に結論から言っておくと持ち家を残して債務整理をすることは可能です。
ただいくつか条件や注意点があるのでこの記事では持ち家を残して債務整理をするために知っておきたい情報をまとめています。
債務整理と言っても大きく「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類に分けられます。
ですので、債務整理をしたからと言って持ち家を処分しなければいけないわけではなく、どの手続きをするかによって持ち家を残せるか・残せないかが決まります。
後述しますが、債務整理の中でも自己破産に関しては、持ち家を残して手続きをすることは難しいです。持ち家に限らず、車や退職金といった資産は基本的には清算しなければいけません。
持ち家を残して債務整理を考えているなら「任意整理」か「個人再生」の手続きです。
ただし、任意整理も個人再生の場合にも持ち家を残す場合には注意点があります。
任意整理や個人再生がどのような手続きで、どんなメリット・デメリットがあるのか?は下記の記事にまとめているので債務整理の手続きについて詳しく知りたい方は参考にしてくださいね。
【参考記事】
・債務整理の種類。メリットとデメリットをわかりやすく解説!
任意整理&個人再生持ち家を残したい場合の注意点
任意整理か個人再生の手続きをすれば、持ち家を手放したり、現在の生活を大きく変えることなく借金問題を解決することができます。
しかし、持ち家を手放したくないからと言って本来であれば自己破産が適当と思われるような借金の状況にも関わらず、任意整理や個人再生をしても、債務整理後に減額された借金も支払えなくなってしまえば状況はさらに悪化して結局は自己破産で持ち家を手放さなければいけなくなってしまいます。
ですので持ち家はできる限り手放さないことを念頭において債務整理後の返済のシミュレーションをして、支払っていく余裕が残っていれば任意整理や個人再生など持ち家を残すことができる債務整理を行うといいでしょう。収入が全くないと厳しいですが、継続した収入があれば持ち家を残して債務整理できる可能性が高いです。
任意整理で持ち家を残すための条件は?
任意整理で持ち家を残すためには、任意整理の対象から住宅ローンを外さなければいけません。
任意整理は将来利息のカットや遅延損害金のカットができる債務整理の手続きですが、持ち家を残す場合住宅ローンの将来利息はカットできないことを意味します。つまり、借金の中でも住宅ローンが大きな負担となって債務整理を検討している場合は任意整理をしてもその後の生活が改善される可能性は低いと言えるでしょう。
また、任意整理は債権者との交渉なので持ち家の資産価値が高いことが債権者に知られると、まずは持ち家の処分を促され交渉が上手く進まない可能性もあります。
現在住宅ローンを返済中という場合は下記の記事でも注意点を詳しく紹介しているので参考にしてください。
【参考記事】
・住宅ローン返済中に任意整理はできるのか?
個人再生で持ち家を残すための条件は?
個人再生を行って持ち家を残したい場合は再生計画の中に住宅資金特別条項を定めなければいけません。
※個人再生の住宅資金特別条項には継続的な収入が見込めるなど一定の条件がありますが、ご自身で持ち家を買い、住宅ローンを組んでいる場合は認められるケースが多いです。
また個人再生の場合は清算価値保障原則という仕組みがあるので持ち家の資産価値も重要になります。個人再生は資産を残して借金を減額できる方法ですが高額な資産を残すことはできません。高額な資産の基準となるのは、住宅ローンがある場合は持ち家の資産価値から住宅ローンの残債を差し引いた時の価値が債務額よりも低くなければいけません。
清算価値保障原則・・・最低でも保有財産の価値以上の弁済をしなければいけない仕組み。仮に持ち家の資産価値が800万円(住宅ローン返済中の場合は住宅ローンを差し引いた時の資産価値)ある場合は最低でも800万円以上の返済をしなければいけない。
つまり、個人再生で減額された場合の債務総額が、住宅ローンの残高を差し引いた場合の持ち家の資産価値よりも高くならなければ個人再生のメリットはなくなってしまうと考えていいでしょう。
もし、持ち家の資産価値が高く個人再生のメリットがない場合は自宅を処分して借金の返済に充てるか、個人再生ではなく任意整理をして債権者と交渉したほうが金銭的にはメリットがあると言えるでしょう。
【参考記事】
・個人再生とは?
債務整理の自己破産を選んだ場合に持ち家を残すことは不可能なのでしょうか?
自己破産の場合は資産価値が20万円以上の財産は全て差し押さえれることになるので持ち家を残すというのはとても難しくなります。しかし、可能性は0ではありません。
自己破産をしても持ち家に住み続けることができるケースとしては、身内、もしくは不動産業者に自宅を売却した上で、賃料を払って住み続けるというバックリースという方法があります。
※場合によっては親族などに売却をし、家賃を支払わずに住み続けるというケースもありますが、売却価格に関しては適正金額で売却しなければいけません。
しかし、無理に持ち家を残そうとするとその行為が免責不許可事由に該当してしまい自己破産自体が認められなくなってしまうケースもあるので注意が必要です。自己破産でも持ち家を残すためにどのような手段を講じるかは専門家の判断を参考にして決断をすることをオススメします。
すでに持ち家のローンを完済している場合の債務整理
持ち家を残して債務整理をする場合、すでに住宅ローンを完済しているケースもあるかもしれませんね。もしくは相続によって持ち家があるといった方もいるでしょう。
住宅ローンのない持ち家がある場合に債務整理をするとどうなるのでしょうか?
その場合、持ち家は単純に資産として扱われることになります。
自己破産の場合
20万円以上の価値のある資産は処分をしてその現金を債権者への返済に充てなければいけません。
個人再生の場合
先程紹介した清算価値保障の仕組みがあるので、持ち家を残す場合にはその資産価値以上の返済をしなければいけません。
任意整理の場合
交渉次第ですが、持ち家の資産価値が高ければ交渉に応じてくれない可能性が高いでしょう。
このように、持ち家を残して債務整理をする場合は住宅ローンの有無や持ち家の資産価値が重要になります。まだ住宅ローンが残っている場合はその分資産価値も低くなりますが住宅ローンがない場合は、持ち家を残して債務整理をすることは厳しいと言えるでしょう。
持ち家の資産価値を調べる方法
持ち家を残して債務整理をする場合には、その資産価値が重要になりますがどのように調べればいいのでしょうか?
債務整理で裁判所に土地や住宅などの不動産価値を証明するためには市役所で発行される「固定資産評価証明書」と「不動産業者の査定書」が必要になります。
固定資産評価証明書は市区町村役場で1000円程の発行手数料を支払えば発行してもらえます。
しかし、持ち家の資産価値によっては無駄になってしまう可能性も十分にあります。
なので、持ち家の資産価値を知りたいのであれば不動産査定の一括サイトを利用するのがおすすめです。