奨学金の返還金が用意できなかったり、返済日を忘れたりして、奨学金を延滞するとどうなるのでしょうか?

奨学金を延滞するとどうなる?

奨学金も借金ですので、滞納すると数々のデメリットがあります。

まず「延滞金」が発生します。さらに、3ヶ月以上滞納するとその後、クレジットカードの作成やローンの審査に影響が出たり、保証人にも迷惑がかかったります。

奨学金を貸し出している「日本学生支援機構(JASSO)」によると、奨学金を滞納した場合、本人、連帯保証人、保証人に対し、文書と電話で督促を行うとのことです。

最終的には強制執行による一括返済になるため、奨学金は計画的に返済しましょう。

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この記事の監修者

弁護士法人 天音総合法律事務所 正木 絢生 (第一東京弁護士会所属)

奨学金の延滞が続くとどうなる?

奨学金も借金であるものの、日本学生支援機構(JASSO)のような独立行政法人が運営しているため、消費者金融で借りる場合と異なり、緊張感や責任感が薄れている方もいるでしょう。

しかし、借金であることに変わりないため奨学金も延滞するべきではありません。

特に連続して3ヶ月以上の延滞があると生じる不利益も大きくなります。

奨学金を延滞したことで起こりうるデメリットについてご紹介します。

奨学金を延滞するデメリットは大きく分けて4つあります。

  • 3ヶ月以上の延滞で個人信用情報に登録される
  • 延滞金が発生する
  • 連帯保証人や保証人に迷惑がかかる
  • 一括返済を求められる

それぞれついて具体的にご説明します。

3ヶ月以上の延滞で個人信用情報に登録される

個人信用情報に登録されることは、いわゆるブラックリストに載ることです。

「ブラックリスト」というのは実際に存在するものではなく、個人信用情報に事故情報が記載されてしまうことを指します。

登録されてしまうと、クレジットカードの作成や住宅ローンの審査、場合によっては携帯電話の端末本体の分割払い契約などもできなくなります。

登録された事故情報は全て完済した後も5年間は登録されたままになります。

返済期間に3ヶ月以上の延滞があれば、例えば、40歳で奨学金を完済したとしても45歳まではローンやクレジットの審査に通らなくなってしまいます。

将来自分の家を買いたい方、車が欲しい方にとっては大きなデメリットと言えるでしょう。

奨学金を延滞すると延滞金が発生する

奨学金を延滞すると、元本と利息の他に5%の延滞金が発生します。

奨学金は通常の借金に比べ利息が低いことが特徴ですが、5%の延滞金が発生すると延滞すればするほど金額が膨れ上がり、返済がより厳しくなります。

延滞金は返還期日の翌日から返済した日までの日数に応じて発生します。

そのため、3ヶ月に満たなくても、延滞した場合はすぐに返済したほうがいいでしょう。

連帯保証人や保証人に迷惑がかかる

奨学金を借りる際に連帯保証人や保証人を付けて契約している方は、奨学金を返済できない場合に連帯保証人や保証人に返済督促が行われます。

連帯保証人は保護者、保証人は4親等以内の親族が一般的なので、親や親戚に迷惑をかけることになります。

また、自己破産をして支払い義務から逃れたとしても、連帯保証人や保証人に請求がいきます。

奨学金を一度でも滞納した場合、そのたびに連帯保証人や保証人には請求書が送付されます。

一括返済を求められる

奨学金の延滞を続けると、「元金+利息+延滞金」の一括返済の請求が行われます。

一括返済も3ヶ月目に入っても連絡が取れず滞納していると、通常の借金と同じく、書面や電話などによって請求されます。

話し合いによっては分割に戻してもらえる可能性もありますが、さらに滞納し続けて9ヶ月以上経つと法的な措置に移行されます。

法的な措置になると、預金口座や給与の差し押さえなどの強制執行となります。

奨学金を延滞していて払えない場合はどうする?

奨学金を延滞していて払えない場合はどうする?

では、奨学金を延滞していて払えない場合はどうすればいいのでしょうか?

解決策としては4つの方法があります。

  • 奨学金の返済猶予制度を活用する
  • 債権回収業者と話し合う
  • 親や親戚などに一時的に立て替えてもらう
  • 債務整理をする

一つずつ紹介していきましょう。

奨学金の返済猶予制度を活用する

奨学金には、失業や病気など、やむを得ない事情で生活が苦しくなってしまった場合に返還期限に猶予を貰える「返還猶予」という制度があります。

毎月の奨学金返済額を減額してもらう減額返還の手続きもあります。

どちらも「やむを得ない事情がある」などの条件付きになりますが、奨学金が返済できないと感じたら早めの手続きをおすすめします。

延滞金を解消してからでなければ返済猶予を利用できないため、延滞する前か、延滞金の支払いを行ってから利用を検討しましょう。

債権回収業者と話し合う

奨学金を延滞すると、催促や取り立ては債権回収業者に委ねられます。

どこまで融通が利くかは実際に自分で交渉してみなければわかりませんが、一括返済の請求を分割払いに戻してもらうなどの交渉はできるかもしれません。

ただ、信用がなければ取り合ってもらえないため、ある程度返済の実績がなければ使えない方法と言えるでしょう。

親や親戚などに一時的に立て替えてもらう

親や親戚、友人などに立て替えてもらって一時的に支払いをする方法もあります。

信頼できる人に相談し、立て替えてもらうことで、一旦滞納は回避することができます。

滞納し続けるといずれ連絡されることを考えると、連帯保証人や保証人になってくれた方に相談してみると良いかもしれません。

消費者金融やカードローンで支払ってしまうと、借金の総額が膨れ上がってしまう可能性があるのでおすすめできません。

債務整理の手続きを使って減額する

債務整理は自己破産、個人再生など国が認めている借金の救済制度です。

借金が0円になったり、最大で5分の1になる、延滞金カットができるなどの手続きです。

保証人を付けていなかったり、保証人も同時に債務整理の手続きをしたり場合には解決策となり得るでしょう。

ただし、連帯保証人や保証人がいる場合は債務整理をしても保証人に請求されるため、親や親戚に肩代わりをしてもらうのとあまり変わりないと言えます。

奨学金の滞納は返済猶予制度や債務整理の手続きをうまく活用しよう

奨学金は利息こそ低いですが、借金であることに変わりありません。

返済できなければ、滞納金が上乗せされたり、個人信用情報に登録されたりと、さまざまなデメリットが生じます。

延滞を続けてもメリットは一つもないため、奨学金の返済は繰上返済なども利用して少しでも早く返済していきましょう。

そのためには計画的な返済計画を立てて借金を減らしていく必要があるでしょう。

奨学金を滞納するかもしれないと思った時は、話し合いや立て替えを頼んでみたり、返済猶予制度や債務整理の手続きをうまく活用したりしましょう。

債務整理の手続きをお考えの方は、私たち弁護士がいつでもご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。