
派遣社員が借金を返せなくなった時にやること
- 借金が返せなくなってしまった、今月の返済が難しい
- 今は返済できているけど雇止めにあったらすぐに返せない状態になる
- すでに滞納していて督促がきてしまう
このようなお悩みに直面している方も少なくないのではないでしょうか。
こちらでは、派遣社員の方で借金問題にお悩みの方が、どうすれば負担なく返済をしていけるかを記載していきます。
返済していく方法を整理してみる
借金問題に悩んで最初に取り組むべきは、どうしたら借金を返済していけるか整理することでしょう。
そのためにも、借金問題が解決しない原因がどこにあり、何に悩んでいるのか明確にする必要があります。
- 月々の返済額が大きくて生活費が残らない
- クレジットカードで生活費の補填をしないと生活していけない
- 借金の総額が減らない、もしくは増えている状態だ
- 利息が高くて元金が減らない
- 雇い止めにあい、借金返済のめどが立たない
など、悩みの状態は人さまざまで、悩みによって解決方法も異なります。
まずはご自身の悩みのポイントを明確にして、その後に悩み別に解決方法を検討していきましょう。
たとえば、「毎月の返済が大きくて生活費が残らない」という方であれば、毎月の返済額が下がれば今後も返済していけるということになるでしょう。
返済が行える方であれば、その先の手段もいくつか候補が変わってきます。
悩みのポイントを明確にしたあとは、ご自身の生活の中でできることがないか考えてみましょう。
支出を減らして返済できるようにならないか
派遣社員で借金問題に悩んでいる方が、今後の返済が苦しくなった際、まずは月々の支出をおさえられないか家計を見直してみましょう。
- 引っ越しをして家賃をもう少し下げられないか
- 外食費を抑えるなどして食費を下げられないか
- 交際費や携帯料金が高すぎないか
- 解約できる保険やサブスクリプションサービスはないか
などの支出状況を洗い出し、負担を下げられる項目がないかみてみましょう。
また、クレジットカードの利用限度額を下げられないか確認するのも支出の見直しとして大切になります。
見直しをして返済に充てられる金額を確保していくことは、ご自身で行える最初に実施するべきポイントでしょう。
安定した収入を得られる仕事に就く
思い切って転職をし、収入を改善していくこともひとつの方法になるでしょう。
正社員としての仕事を探し直す、給料が高い仕事に就くなど仕事を変えて収入増加を見込めれば、月々の返済も問題なく行えるケースも多いかと思います。
しかし、現実問題そんなに簡単に好条件の仕事を見つけられる方ばかりではないでしょう。
そのような場合で自分の時間がある方は、副業をして収入合計を増やすことを検討してもいいかもしれません。
収入を増やし支出を減らすことができれば、クレジットカードやキャッシングに頼らない生活ができ、借金の返済もきちんと行っていけるでしょう。
金融会社に返済の相談をする
借入先の金融機関に返済の相談をすることもできます。
次の返済日に借金を返せないことがわかっていたら、できる限り早めに自分から借入先に連絡を入れましょう。
その際に、いつまでに返済ができるのか伝えておけば、その間は督促を止められます。
また、月々の返済額を下げてほしいという相談も、前もって返済日前に相談をすれば一時的に許可してくれるケースもあります。
ポイントは、前もって自分から相談することです。
借入先としても、債務者へ無理な取り立てをして自己破産されてしまっては元も子もないため、ある程度の相談には応じてくれる可能性があるでしょう。
おまとめローンなどで利息を減らす
おまとめローンをして負担を減らすという方法もあります。
おまとめローンとは、消費者金融やカード会社など複数の会社から借り入れをしている借金をひとつの会社に借り換えし、借金を一本化して返済をしていくサービスのことをさします。
ひとつの会社に一本化して借り換えをすることで、利息の負担を下げられ借金の総額や月の返済額を下げていくことができる可能性が高いです。
また、おまとめローンは返済日をひとつにできるというメリットもあります。
複数社から借金がある人は月に何度も返済日があり管理も返済対応も大変ですが、おまとめローンをすることで返済が1社だけになるので、返済日も1日になり、管理が楽になります。
おまとめローンは現在、借入先が複数ある方や、消費者金融・クレジットカード会社など利息の高い会社から借り入れをしている人に有効な手段といえるでしょう。
ただし、会社によっては、銀行系の消費者金融はまとめないなどの制約があり、おまとめローンをしても余り効果がない場合もありますので、事前の確認が大切です。
債務整理を検討する
ご自身の生活を見直したり、金融会社に相談したりしても借金完済が難しい方は、債務整理を検討したほうがいいでしょう。
債務整理をすることで借金返済の負担を減らすことができます。
債務整理には3つの方法があり、どの方法を選択するかによって借金の負担を減らせる度合も変わってきます。
下記にそれぞれの方法の特徴を記載します。
債務整理の種類 |
詳細 |
---|---|
任意整理 |
将来の利息を一切カットして元金のみを長期分割で返済する方法です。 |
個人民事再生 |
借金の将来利息のカットだけではなく、元金自体を大幅に減額圧縮ができ、原則3年での返済をしていく方法です。 |
自己破産 |
裁判所を通して行う手続きで、借金をゼロにすることができます。 |
債務整理の種類や債務整理をした場合の影響について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【参考記事】
・債務整理とは?借金を減額する方法
派遣社員でも債務整理はできる?
派遣社員の方であっても、債務整理を行い借金の負担を減らしていくことはできます。
こちらでは、具体的にどの債務整理がマッチしているのか、債務整理をする目安などを解説していきます。
現在、派遣社員として働いている人
派遣社員として働いている方のなかでも、月の収入と支出のバランスや借金の総額、借入社数などによって向いている債務整理の方法が異なります。
基本的には、月に一定の収入がある方であれば債務整理の中でも任意整理が向いている可能性があります。
任意整理とは、将来の利息をすべてカットして月々の返済額をボリュームダウンし、長期分割で返済をしていく方法です。
いっぽうで、月々の返済額が多少下がっても今後の返済自体厳しい、一旦すべて借金をゼロにして生活再建をはかりたいという状況の方は、任意整理よりも自己破産が向いているかもしれません。
派遣社員が任意整理をする目安
派遣社員の方が任意整理を実施する目安や基準について説明していきます。
一般的には任意整理を実施する目安として、返済額が手取り収入から住居費を差し引いた額の3分の1を超えないことがあげられます。
任意整理後の返済期間は3年~5年となっていて、月の返済負担を長期にわたって問題なく実施できるかどうかが重要になるからです。
収入例をあげて説明してみましょう。
たとえば、手取り収入が25万円だとして、家賃が7万円だとすると、「収入―家賃=18万円」となります。
18万円の3分の1は6万円です。
つまり、任意整理をすることでその後の毎月の返済額が6万円以下になるようであれば、任意整理が有効的と言えます。
なお、毎月6万円返済していくと仮定した場合、3年および5年で返済できる金額は下記のようになります。
3年での返済の場合、月返済額6万円×3年(36ヶ月)=216万円
5年での返済の場合、月返済額6万円×5年(60ヶ月)=360万円
つまり、この例題のケースでは、任意整理後に返済していく元金が360万円以下であれば、毎月の返済額を6万円以下にできることになります。
ご自身の収入や今の借金から計算してみてください。
判断が難しい場合は、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
なお、任意整理をしても途中で返せないことが予想される場合には、任意整理以外の手段を検討する必要があります。
任意整理が難しい時は自己破産を検討
任意整理をする収入の目安・借入状況の目安をみて、目安以上の借金がある方や、目安以上の返済額になってしまう方の場合には自己破産を検討しましょう。
「自己破産だけは避けたい」と思う方もいるかもしれませんが、国が認めている借金問題の救済措置ですし、自己破産をしたからといって生活に必要なものすべてが取られてしまうわけではありません。
自己破産とはプラスの財産(預金など)もマイナスの財産(借金)も一旦ゼロにして生活再建を目指すための手続きです。
借金の総額が膨らんでしまい、長期返済計画を組んでも月々の返済金額の捻出が厳しいケースや、収入が下がってしまい改善の見込みがないケース、一定の収入がまったく見込めなくなってしまったケースなどであれば、借金をまっさらな状態にして1から生活設計をし直すほうがよいこともあります。
自己破産をすべきか判断は、「今の収入がどのくらいあっていつまで続くか」ということと、「借金の総額と月々の返済が生活に支障をきたすレベルまで膨らんでいないか」がポイントとなります。
雇い止めで収入がなくなってしまった人
派遣社員でお勤めの方の中には、雇い止めで収入がなくなってしまった人もいるでしょう。
派遣契約の延長がなされず予定していた収入が得られなくなってしまうケースも見られます。
こちらでは、雇い止めで収入が無くなってしまった場合に、どのように対処をしていくのがよいか解説していきます。
収入を得られれば返済できるなら、仕事を探し任意整理を検討
雇い止めにあい、派遣契約が終了してしまったとしても、次の勤め先を見つけて一定の収入を得られるのであれば任意整理を検討できるでしょう。
任意整理を行う場合は、月々の返済金額が問題なく捻出できる状況である必要があります。
収入がなくてすでに借金滞納しているなら、早めに自己破産を
派遣社員で勤めていた方が雇い止めにあい、収入がなくなってしまい次の職場もなかなか見つからない場合には、自己破産を検討したほうがよいといえるでしょう。
特に、借金の滞納をしている方であれば早めに自己破産を検討し動くべきだといえます。
自己破産をすれば、滞納や督促が来ている借金、銀行からクレジットカードのショッピング利用まで借金がゼロになります。
しかも、弁護士に依頼をすれば、すぐに取り立ての連絡を止めることもでき精神的な負担からも解放されることになります。
すぐに仕事が見つからない方や借金の滞納をしている状況で雇い止めにあった方は、少しでも早く自己破産を進めることを検討しましょう。
債務整理をしたら派遣先や派遣元に知られる?
債務整理をすると派遣先、派遣元など勤務先に影響が出てしまうのか不安な方は多いでしょう。
結論から言うと、債務整理をしたからといって、金融会社が勤務先に連絡することは基本的にはないです。
特に任意整理であれば、裁判所を通さず、債権者(金融会社)と債務者との直接交渉にて返済計画を組んでいくことになるため、勤務先に知られる機会はほぼないと言えます。
ただし、債務整理をする前の時点で滞納中の方や、借入先からの督促の連絡を無視してしまっている方の場合は、勤務先に連絡がいってしまう可能性がありますので気をつけてください。
なお、滞納をしていて連絡を怠っていると給与の差し押えにあうことがあります。
給与の差押えなどの事態に発展した場合には、勤務先にも知られてしまうでしょう。
そのため、上記のような事態に陥る前に借金問題の対処をすることが、勤務先に知られず解決するために重要です。
任意整理・自己破産は弁護士に相談
派遣社員の方であっても、債務整理をすることはできます。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産とあり、借金の金額や収支の状況など個人個人のケースによって選択するべき方法が変わってきます。
つまり、今後の見通しを正しく立てていくこと、慎重に判断していくことが重要になってくるといえます。
そのためには、専門家である弁護士に相談するところから出発するのが最適でしょう。
- 債務整理をしないで解決したい
- 自分は任意整理ができるのだろうか
- 自己破産にはどんなリスクがあるのかもっと知りたい
- 債務整理の中でも結局どれが自分に1番合っているか分からない
など、今の自分のケースだと、どの解決手段が最も適しているのか、弁護士に無料相談をしてみることをおすすめします。