自転車でバイクや原付と交通事故にあったら。慰謝料や過失割合はどうなる?

監修弁護士

弁護士法人 天音総合法律事務所 正木絢生 (第一東京弁護士会所属)

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自転車とバイクの事故の慰謝料

自転車事故では、相手がバイクや原付というケースも多いです。しかし、自転車対バイクの交通事故での慰謝料や過失割合について詳しく書かれているWebサイトは限られています。
そこで、自転車対バイク、原付の事故にフォーカスして、支払われる慰謝料や、過失割合の決め方、示談交渉でトラブルになりやすいポイントをまとめました。

事故の相手がバイクだと慰謝料請求で異なる点はある?

交通事故の被害に遭い、ケガをすると、加害者に慰謝料休業損害などを請求することができます。

加害者が自動車の場合もバイクの場合もこのことに変わりはなく、加害者が何に乗っていたかで慰謝料の金額が変わることは原則としてありません。

相手のバイクの大きさ(排気量)で変わることもないでしょう。

大型バイクでも原付でも同じ。

ただし、交通事故の相手が自動車やトラックの時とバイクの時では、ケガをする箇所や程度が異なり、それによって慰謝料の金額が変わることはあります。

慰謝料の金額や計算方法については、下記で詳しく解説しています。

過失はバイクより自転車のほうが軽くなる?

慰謝料などの賠償金額を決める際は、金額だけでなく、交通事故の責任の割合(過失割合)も決定します。

過失割合の概要を知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

自転車とバイクの交通事故における過失割合は、自転車対自動車の事故のケースと同じように判断され、基本的には自転車の過失が軽くなる傾向があります

自転車に乗っていた人のほうが死傷する危険が大きいことなどが理由として挙げられます。

ただし、これは自転車が一般的な速度(時速15km程度)で走行していた場合です。

ロードバイクなど、スピードが出やすい自転車に乗っている人も近年は増えており、自転車の時速が30km程度で交通事故が発生した際は、「自転車だから」という理由で、自転車の過失が考慮されない可能性があります。

いっぽうで、自転車を押して歩いていた場合は、自転車ではなく歩行者と見なされ、自転車の過失がより軽くなる傾向にあります。

自転車対バイクの交通事故の過失割合

法律の専門書「別冊判例タイムズ38号」に掲載されている「自転車と四輪車・単車の事故」の中から、自転車とバイクの交通事故が起こりやすいシチュエーションをピックアップし、過失割合をご説明していきます。

信号のない交差点での出会い頭の衝突事故

交通事故の詳細 過失割合
同じ道幅でお互いに直進していた場合 自転車20:バイク80
お互いに直進していて自転車の道幅が広い場合 自転車10:バイク80
お互いに直進していてバイクの道幅が広い場合 自転車30:バイク70
お互いに直進、
バイク側に一時停止の規制があった場合
自転車10:バイク90
お互いに直進、
自転車側に一時停止の規制があった場合
自転車40:バイク60

信号のない交差点での自転車とバイクの出会い頭の衝突事故での過失割合です。

お互いが同じ条件の場合、過失割合は「自転車20:バイク80」

ここから道路の状況やバイクと自転車の進行方向などによって過失が修正されます。

たとえば、道幅に明確な違いがある場合は、道幅が広い道路を走行していた側の過失が10%程度軽くなり、自転車が広い道路でバイクが狭い道路だと、過失割合は自転車10:バイク90となります。

また、どちらかに一時停止の無視があると、過失割合は大きく変わります。

自転車も軽車両ですので、一時停止の規制がある交差点では一時停止を守らなければいけません。

そのため、自転車の一時停止無視が原因で衝突事故が起こったら、過失割合は自転車40:バイク60となります。

出会い頭での衝突事故は、基本的には自転車の過失が軽くなりますが、事故の原因となるような走行をしていた自転車には、重い過失がつくこともあります。

交差点の横断歩道を渡っている際の衝突事故

交通事故の詳細 過失割合
自転車が青信号で横断し、
バイクが青信号で右折または左折
自転車10:バイク90
自転車が赤信号で横断し、
バイクが青信号で右折または左折
自転車60:バイク40

自転車が信号のある横断歩道を渡ろうとした際に起きた、同一方向または対向方向から右折や左折をしてきたバイクとの衝突事故の過失割合です。

自転車もバイクも青信号のケースでは、基本的に自転車側が被害者になりますが、自転車に交通違反などがなくても10%程度の過失がつく可能性があります

信号を守っていたのに自分にも過失がつくことに納得できないかもしれませんが、これは、自転車にも安全確認や走行に適切でない点があったと判断されるためです。

また、自転車が赤信号でバイクが青信号の場合は、自転車のほうが悪いと判断され、重い過失がつく可能性があります。

歩行者・自転車用の信号機は自動車の信号機よりも早く赤になることが多いです。

「横断歩道が短い」、「交通量が少ない」などの理由で大丈夫だと思い込み、赤信号で渡ったときに交通事故に遭うと、自分が加害者になる可能性もありますのでご注意ください。

示談交渉で注意したい過失割合が変わる要素

夜間は自転車の過失が重くなる場合がある

自転車とバイクの交通事故の過失割合は、さまざまな事情で変更になります。

たとえば、夜間の事故は自転車の過失が5%程度重くなることがあります

自転車からはバイクや自動車のライトが確認しやすいのに対して、バイクや自動車からは自転車のライトが確認しづらいことがあるためです。

自転車が無灯火だった場合は、自転車の過失が10%程度重くなります

また、自転車は車道を走ることも横断歩道や自転車横断帯を走ることもあります。

自転車が横断歩道を走行していた場合や自転車横断帯を通行していた場合は、車道を走行していた場合に比べて5〜10%程度、自転車の過失が軽くなります。

そのほか、自転車に乗っていたのが児童や高齢者の場合は、5〜10%程度、自転車の過失が軽くなります。

このようにちょっとした事情で、過失が軽くなることも重くなることもあります。

しかも、事故発生時の状況は加害者と被害者の間で主張が食い違うケースも珍しくなく(信号の色や自転車、バイクそれぞれの速度など)、過失割合の示談交渉でトラブルになる可能性もあります。

自分に必要以上の過失がつかないようにするためには、過失が変わる事情を把握し、示談交渉で根拠を示して正しい過失割合を主張することが大切です

自転車とバイクの事故の慰謝料は弁護士請求に相談

自転車対バイクの交通事故は、自転車対自動車の事故と比べて慰謝料請求や過失割合の決め方に大きな違いはありません。

また、自転車で走行中に交通事故に巻き込まれたケースでは、被害者であっても過失がつくことがあります。

慰謝料請求で大切なのは、示談交渉をきちんと行い、適切な賠償金を受け取ることです。

慰謝料請求の対応や過失割合の判断が難しいと感じたら交通事故に精通した弁護士に相談することをご検討ください。

天音総合法律事務所には下記から問い合わせができますので、自転車とバイクの事故の悩みをお気軽にご相談ください。